リレーショナルデータベースと冗長構成の理解【ウェブデザイン技能検定 1級学科範囲】

フロントエンドエンジニアやデザイナーなどはなかなか触れることの少ないデータベースですが、もちろんウェブデザイン技能検定の学科の範囲に入っています。

そのなかで過去問題にも出題されているリレーショナルデータベースと関連するものの解説を載せます。

私自身あまりデータベース関係は得意ではなかったのですが、改めて調べてみると新しい発見などもありましたので、是非最後まで見ていっていただけたら嬉しいです。

リレーショナルデータベースとは

リレーショナルデータベース (RDB) はデータを行と列からなるテーブル形式で管理するデータベースの一種です。
このモデルは1970年代にエドガー・F・コッドによって提唱されました。
こういった人名などはさりげなく検定に出てきそうな気がします。


リレーショナルデータベースではデータ間の関係を明確に定義するために、キー(主キーと外部キー)が使用されます。

特徴:

  • テーブル形式: データが行と列の形式で整理されます。
  • SQL: 構造化照会言語 (SQL) を使用してデータの操作とクエリを実行します。
  • データの整合性: トランザクション管理により、データの一貫性と整合性を保証します。
  • スキーマ: データの構造(スキーマ)が明確に定義され、スキーマに従ってデータが格納されます。

使用例:

CREATE TABLE users (
    id INT PRIMARY KEY,
    name VARCHAR(50),
    email VARCHAR(100)
);

INSERT INTO users (id, name, email) VALUES (1, 'John Doe', 'john@example.com');

冗長構成とは

冗長構成は、システムの可用性と信頼性を高めるために、データやシステムコンポーネントを複製する技術です。
冗長構成を採用することで、システムの一部が故障してもサービスの継続性を確保できます。

目的:

  • 可用性の向上: システム障害時にもサービスを継続させる。
  • データ保護: データ損失を防ぐためにデータを複製する。
  • 負荷分散: 複数のサーバやノードに負荷を分散させる。

冗長構成の種類:

  1. マスタ・スレーブ方式
  2. マスタ・マスター方式(デュアルマスター方式)
  3. ハブ・スポーク方式
  4. シャーディング(パーティショニング)
  5. クラスタリング
  6. レプリカセット(NoSQLデータベース)

代表的な冗長構成の方式

1. マスタ・スレーブ方式

説明:

  • マスタサーバ: データの読み書きを行う主なサーバ。
  • スレーブサーバ: マスタサーバのデータをレプリケートするサーバで、通常は読み取り専用。

特徴:

  • データ更新はマスタサーバに対してのみ行われ、スレーブサーバはマスタサーバのデータを受け取って更新されます。
  • 読み取り操作(SELECT)は、負荷分散のためにスレーブサーバで行うことができます。

使用例:

-- マスタサーバに対する更新
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('John Doe', 'john@example.com');

2. マスタ・マスター方式(デュアルマスター方式)

説明:

  • 複数のマスタサーバ: 複数のマスタサーバがあり、どちらのサーバにも読み書きが可能です。
  • 同期レプリケーション: 各マスタサーバ間でデータの同期レプリケーションが行われます。

特徴:

  • 高可用性と負荷分散が実現可能。
  • 競合の解決が必要。

使用例:

-- マスタサーバ1とマスタサーバ2の両方に対してデータ更新が行われる
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('Alice', 'alice@example.com');

3. ハブ・スポーク方式

説明:

  • ハブサーバ: 中心となるマスタサーバが存在し、すべてのデータの読み書きを行います。
  • スポークサーバ: ハブサーバからレプリケートされたスレーブサーバ。スポークサーバは、読み取り専用として使用されます。

特徴:

  • 中央集中型の管理。
  • スケーラビリティの向上。

使用例:

-- ハブサーバに対してデータ更新
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('Bob', 'bob@example.com');

4. シャーディング(パーティショニング)

説明:

  • データ分割: データを複数のサーバ(シャード)に分割して保存します。各シャードは、異なるデータの部分集合を持ちます。
  • 読み書き分離: 特定のデータに対する読み書きが特定のシャードにのみ行われます。

特徴:

  • 大規模データベースのスケーラビリティを向上。
  • 複雑なクエリの管理が必要。

使用例:

-- ユーザーIDに基づいてデータを異なるシャードに分割
-- シャード1
INSERT INTO users_shard1 (id, name, email) VALUES (1, 'Charlie', 'charlie@example.com');
-- シャード2
INSERT INTO users_shard2 (id, name, email) VALUES (2, 'David', 'david@example.com');

5. クラスタリング

説明:

  • 複数ノード: 複数のデータベースノードが連携して一つのデータベースクラスタを構成します。
  • フェイルオーバー: 一つのノードが障害を起こした場合、自動的に他のノードにフェイルオーバーします。

特徴:

  • 高可用性とフェイルオーバー機能。
  • 複雑な設定と管理が必要。

使用例:

-- ノード1に対する更新
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('Eve', 'eve@example.com');
-- ノード2に自動的にレプリケート

6. レプリカセット(MongoDBなどのNoSQLデータベース)

説明:

  • プライマリとセカンダリ: プライマリノードが書き込みを受け付け、セカンダリノードにデータをレプリケートします。
  • 自動フェイルオーバー: プライマリがダウンした場合、セカンダリがプライマリに昇格します。

特徴:

  • 高可用性と自動フェイルオーバー。
  • 読み取り専用のセカンダリノードを使用して負荷分散。

使用例:

-- プライマリノードに対する更新
db.users.insert({ name: 'Frank', email: 'frank@example.com' });

まとめ

リレーショナルデータベースの冗長構成には、データの可用性と信頼性を高めるために様々な方式があります。
代表的な方式には、マスタ・スレーブ方式、マスタ・マスター方式、ハブ・スポーク方式、シャーディング、クラスタリング、レプリカセットなどがあります。
各方式には特有の利点と課題があり、システムの要件に応じて最適な方式を選択することが重要です。

これらの冗長構成方式を理解し、適切に選択することで、システムの信頼性と可用性を向上させることができます。

検定などでは名称と内容があっているかどうかといったような出題が多くされますので、名称と内容が一致するように覚えておくと効果的です。

またデータベースを触らないような担当の人たちでも理解しておくことで、いろいろな選択肢、幅が広がっていくと思いますので、覚えておいて損はない知識かと思います。

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