DNS(Domain Name System)にはさまざまな種類のレコードがあり、それぞれが特定の情報を提供します。
以下に、主要なDNSレコードの種類とその役割を解説します。
以前CAAレコードについて調べましたが、今回は各レコードの基礎の部分を解説します。
1. Aレコード(Address Record)
- 説明: ドメイン名をIPv4アドレスに変換します。
- 用途: ユーザーがドメイン名(例:example.com)を入力すると、Aレコードによって対応するIPv4アドレス(例:192.0.2.1)に変換され、ウェブサーバーに接続されます。
example.com. IN A 192.0.2.1
2. AAAAレコード(IPv6 Address Record)
- 説明: ドメイン名をIPv6アドレスに変換します。
- 用途: ユーザーがIPv6アドレスを使用してドメインにアクセスする際に使用されます。
example.com. IN AAAA 2001:db8::1
3. CNAMEレコード(Canonical Name Record)
- 説明: ドメイン名のエイリアスを別のドメイン名にマッピングします。
- 用途: 同一のサービスに複数のドメイン名を使用する場合に便利です。
例えばwww.example.comをexample.comにリダイレクトする場合など。
www.example.com. IN CNAME example.com.
4. MXレコード(Mail Exchange Record)
- 説明: ドメインのメールサーバーを指定します。
- 用途: メールの送受信を行う際に、どのサーバーにメールを送信するかを指定します。
example.com. IN MX 10 mail.example.com.
5. TXTレコード(Text Record)
- 説明: ドメインに関するテキスト情報を格納します。
- 用途: SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(DomainKeys Identified Mail)などのメール認証に使用されます。
example.com. IN TXT "v=spf1 include:_spf.example.com ~all"
6. NSレコード(Name Server Record)
- 説明: ドメインのネームサーバーを指定します。
- 用途: ドメインのゾーン情報を管理するネームサーバーを指定します。
example.com. IN NS ns1.example.com.
example.com. IN NS ns2.example.com.
7. PTRレコード(Pointer Record)
- 説明: IPアドレスをドメイン名に逆引きするために使用されます。
- 用途: 逆引きDNSルックアップに使用され、IPアドレスから対応するホスト名を取得します。
1.2.0.192.in-addr.arpa. IN PTR example.com.
8. SOAレコード(Start of Authority Record)
- 説明: DNSゾーンの権威情報を提供します。
- 用途: ゾーンの管理情報(ゾーンの管理者メールアドレス、ゾーンのシリアル番号、リフレッシュタイムなど)を含みます。
example.com. IN SOA ns1.example.com. admin.example.com. (
2021031601 ; シリアル番号
3600 ; リフレッシュタイム
1800 ; リトライタイム
1209600 ; 有効期間
86400 ; キャッシュタイム
)
9. SRVレコード(Service Record)
- 説明: 特定のサービスを提供するサーバーの情報を指定します。
- 用途: VoIP、IM(インスタントメッセージング)、FTPなどの特定のサービスのサーバーを指定します。
_sip._tcp.example.com. IN SRV 10 60 5060 sipserver.example.com.
10. CAAレコード(Certification Authority Authorization)
- 説明: 特定の認証局(CA)が特定のドメインのサーバ証明書を発行することを許可または制限します。
- 用途: ドメインの証明書発行を制御し、セキュリティを強化します。
example.com. IN CAA 0 issue "letsencrypt.org"
まとめ
DNSにはさまざまなレコードタイプがあり、それぞれが特定の役割を持っています。
これらのレコードを理解し適切に設定することでウェブサイトやメールサービスの動作を正しく管理し、セキュリティを強化することができます。
なんとなくで管理されている方もいらっしゃるかと思いますので、この機会に見直してみてはいかがでしょうか。