リスニングシート的なものを用意して、営業されている方や、わかる範囲でクライアントにエクセルを埋めてもらうといったアンケートのような形から、具体的な話を始めていく営業など、色々な人をみてきましたが、最近の広告代理店や制作会社は「ノリ」だけで話を進めてしまい、結局赤字であったり、クレームに繋がったり、トラブルになっている状況もよく見かけます。
品質が高いものを納品できるように、作業効率をあげてスムーズに制作ができるように、なにより気持ちよく営業ができるように、前もってちゃんとクライアントと話しておかなければならないもの等を紹介いたします。
※この記事ではデザインの制作が始まる前までに決めておいた方がいい事です。
目次
デザイン制作を始める前に最低でも確認した方がいい事
- 制作の目的
- ターゲット
- エンドユーザーがサイトを見るシチュエーションの想定
- 競合の会社、業種の特色
- 先方の好きなサイト嫌いなサイト
- コーポレートカラー
- ロゴデータの有無
- 名刺や紙媒体のデータの有無
- 表記のルール(業界のルールや半角全角・記号・綴りなど)
これだけ情報を貰えるとデザインの方向性を間違えるという事もなくなると思います。
項目をいくつかまとめて簡単な解説
制作の目的
クライアントによって制作する目的は様々です。
銀行に融資を募る為に会社概要が必要
新規ターゲットをつかみたい
現在のユーザーの満足度を高めたい
名刺がわり、営業のツールとして使いたい
など、理由はなくてただ作りたいといった方もいらっしゃいます。
しかし、段々と話をしていくと、目的がはっきりしていく事がほとんどです。
営業スキルを発揮して、クライアントの目的を引き出してあげましょう。
目的がわかればカッチリしたデザインが必要なのか遊びが必要なのかなどデザイナーもクライアントの方向性に合わせたデザインを制作することができます。
ターゲット
クライアントがターゲットとしているエンドユーザーの層についてです。
こちらもざっくりわからないというクライアントもいたりしますが、どういった年齢層のお客さんが多いか、どういった業種のお客さんが多いかなど、聞いていくうちに絞れてきます。
インターフェイス的に高年齢層ならシンプルにボタンを大きくする、若い人が多いなら文字よりもイメージをおおくするなど、デザイナーが必要な物を整理する材料になります。
またターゲットが見るシチュエーション、通勤にスマホ・仕事中パソコン・主婦の息抜きでタブレットなど、いつ見るかやどのように見るかによってを想定するかによっても大きくデザインが変わってきます。
競合の会社、業種の特色
競合の会社のサイトのいいところをは真似をし、かぶらないようにすることで差別化を図ることもできるので、デザインをするうえでクライアントが競合と認識しているサイトを確認することはとても重要です。
また業種の特色、医者なら信頼を大事に(青系)、老人ホームなら安心を大事に(やわらかい暖色)、エステならエレガントに綺麗に(白などにさし色に金)など、その業種がどんなものが大切かによって色合いも絞られてきます。
その上でコーポレートカラーや既にロゴデータがあるかどうかなども確認をしておくとより、クライアントに合った色合いをデザイナーが選定できるようになります。
クライアントの好きなサイト嫌いなサイト
最終的に売り上げを伸ばせるデザインではなく、担当者の好みで決定されてしまうケースもありますので、念のために好きなサイトと嫌いなサイトを3個づつ位もらっておくと、クライアントとの方向性を大きく間違えてしまうリスクを減らすことができます。
その他
ロゴや今までに紙媒体を制作したことがあるのか、使用している書体などは、流用できるものがあるのであれば、会社の色を残しながらデザインをブラッシュアップしていく材料になると思いますので、もらえる資料は全てもらっておいた方が時間の節約にもクォリティをあげるのにも繋がってくると思います。
もちろん、コンテンツ幅を決める為に対応デバイスや対応デバイスの確認も必要になってきます。
まとめ
今回こんな情報をもらえたらデザイナーは助かるという内容をまとめてみましたので、是非ディレクターの方はご活用いただけたらと思います。
冒頭にも記載しましたが、他社の制作会社でもノリだけですすめちゃうディレクターを最近よく見かけます。
「デザイナーなんだからこの少ない情報でもクライアントが納得するものを作るべき」と言われているデザイナーさんも何人も見たことがあります。
ひょっとしたら本当はデザイナーはすごい技術をもっているのにディレクターがパフォーマンスを出させてあげれていないだけなのかもしれません。