Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)はウェブコンテンツを障害のある人々にとってアクセスしやすくするための一連のガイドラインです。
これらのガイドラインはウェブ標準を設定するためにWorld Wide Web Consortium(W3C)によって開発されました。
現在では色々なチェックツールやAI技術なども発展して自社ツールなどを用いているところが多いのではないかと思いますが、一昔前はw3cのチェックツールを通ってないとリリースしてはいけない、といった制作会社などもありました。
今回はそんなWCAGとW3Cについて改めて基本的な部分を調べてみました。
Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)とは
WCAGはウェブコンテンツをアクセシブルにするためのガイドラインを提供しています。
これらのガイドラインは、さまざまな障害を持つユーザーがウェブを利用できるようにするための基準を定めています。
WCAGのガイドラインは、以下の4つの原則に基づいています:
- 知覚可能(Perceivable): ユーザーがコンテンツを知覚できるようにする。
- 操作可能(Operable): ユーザーがインターフェースを操作できるようにする。
- 理解可能(Understandable): ユーザーがコンテンツを理解できるようにする。
- 堅牢(Robust): コンテンツがさまざまな技術に対応できるようにする。
WCAGとJISの違い
なんだかJIS (JIS X 8341-3)に似ている感じがしますが、WCAGは国際的なガイドラインであり、W3Cによって策定されています。
一方、日本のJIS(日本産業規格)は、日本国内での標準規格を定めるものでWCAGのガイドラインを基にした日本独自の規格が含まれています。
たとえば、JIS X 8341-3はウェブアクセシビリティに関する日本の規格でありWCAGの基準を取り入れた内容になっています。
World Wide Web Consortium(W3C)とは
W3Cはウェブ技術の標準化を推進する国際的なコンソーシアムです。
ウェブを誰でも利用できるようにすることを目指しており、HTML、CSS、XML、そしてWCAGなどのウェブ標準を開発しています。
W3Cの標準はウェブ技術の互換性と相互運用性を確保するために重要な役割を果たしています。
最新のWCAGバージョン(2024年現在)
2024年現在、Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)の最新バージョンは 2.2 です。
WCAG 2.2は、2023年10月5日にW3Cの勧告として公開されました。
WCAG 2.1に追加された新しい成功基準が含まれておりウェブコンテンツのアクセシビリティをさらに向上させるための改良が加えられています。
https://www.w3.org/WAI/standards-guidelines/wcag/new-in-22
https://abilitynet.org.uk/news-blogs/wcag-22-what-you-need-know
WCAG 2.2の主な変更点には認知障害や運動障害のあるユーザーに対するアクセシビリティの向上が含まれています。
新しい成功基準が追加され一部の古い基準が削除されることで、より包括的なアクセシビリティ対応が可能となっています。
まとめ
- Web Content Accessibility Guidelines(WCAG): ウェブコンテンツを障害のある人々にとってアクセスしやすくするためのガイドライン。
- World Wide Web Consortium(W3C): ウェブ技術の標準化を推進する国際的なコンソーシアム。
- 最新のWCAGバージョン(2024年現在): WCAG 2.2が最新バージョンであり、2023年10月5日にW3Cの勧告として公開されています。
- WCAGとJISの違い: WCAGは国際的なガイドラインであり、JISは日本国内での標準規格で、WCAGの基準を基にしている。
WCAGとW3Cについて理解を深め、最新のガイドラインに従うことでウェブサイトやアプリケーションのアクセシビリティを向上させることができます。
これにより、より多くのユーザーがウェブコンテンツを利用できるようになる他、自然とSEOにもなっていきます。
是非、改めて理解を深めて検定や試験対策だけでなくより良いウェブコンテンツの制作ができるきっかけになったら嬉しいです。