著作権法は著作物の利用に関して作者の権利を保護するための法律です。
今回は、公衆送信権について特に社内イントラネットへのアップロードにおいてどのような影響があるかを中心に解説します。
公衆送信権とは
公衆送信権とは著作物を公衆に送信する権利のことを指します。
この権利は著作権者にのみ帰属し著作物をインターネットや放送、通信によって公衆に提供する場合に適用されます。
具体例
- インターネット上でのウェブサイトへのアップロード
- ラジオやテレビでの放送
- インターネット配信サービスでの動画配信
社内イントラネットでの公衆送信権の侵害
社内イントラネットは企業内部のネットワークを指します。
一般的には外部の公衆がアクセスできないため、著作権侵害には当たらないと考えがちですが、以下のような場合には公衆送信権の侵害となる可能性があります。
1. 社内の多人数がアクセス可能な場合
社内イントラネットであっても、多くの従業員がアクセスできる状態で著作物をアップロードすることは、公衆送信権の侵害となる可能性があります。
例
社内イントラネットに著作物をアップロードし、全従業員がアクセス可能な場合
2. 外部からのアクセスが可能な場合
外部からのアクセスが可能な設定になっている場合、著作物が不特定多数の人々に提供されることとなり、公衆送信権の侵害となります。
例
リモートアクセスが可能な状態で、著作物を社内イントラネットにアップロードする場合
適法に著作物を利用するためのポイント
著作物を適法に利用するためには、以下のポイントに注意する必要があります。
1. 著作権者の許諾を得る
著作物を社内イントラネットにアップロードする際には、事前に著作権者から許諾を得る必要があります。
例
書籍の一部を社内教育用に使用する場合、出版社や著者からの許諾を得る
2. 利用範囲を明確にする
著作権者から許諾を得る際には、利用範囲を明確にすることが重要です。利用範囲には、利用目的、利用方法、利用期間などが含まれます。
例
社内教育用資料としての利用、閲覧のみ、1年間の利用許諾
3. 著作権法の例外規定を確認する
著作権法には、一定の条件下で著作物を利用できる例外規定があります。
例えば、教育機関での利用や私的使用のための複製などです。
例
私的使用のための複製(自分自身での学習目的での利用)
公衆送信権に関連する法律
著作権法
日本の著作権法では、公衆送信権に関する規定が第23条に定められています。
この法律に基づき、著作物をインターネットやその他の通信手段を通じて送信する場合には、著作権者の許諾が必要です。
例
第23条 公衆送信権等
著作権者は、その著作物を公衆送信し、又は公衆送信を可能とする行為をする権利を専有する。
まとめ
公衆送信権は、著作物を公衆に送信する際に著作権者が持つ重要な権利です。
社内イントラネットへのアップロードであっても、多くの従業員がアクセスできる場合や外部からのアクセスが可能な場合には、公衆送信権の侵害となる可能性があるので注意が必要ということや、著作物を適法に利用するためには、著作権者の許諾を得ること、利用範囲を明確にすること、そして著作権法の例外規定を確認することが重要です。
ウェブデザイン技能検定においても、これらの基本的な知識を理解し、適切に適用することが求められます。